働いてると、いろんな色の表現を聞きます。
吐物が緑色だったとか、ドレーン廃液が淡血性だったとか
でも、色ってあくまで主観的なものです。看護師さんの赤が僕にとってのピンクであることは日常茶飯事ですし、まして淡血性なのか血性なのかなんて、基準がないので言ったもんがちみたいなところがあります。
この間ふと見つけた論文
色彩学的にみた看護職者の色表現方法の実態
は医療現場で使われる色の表現について考察しています。
これによると看護職では年数を経るごとに、色表現の数が増え、より専門用語での表現が多くなるんだそうです。1年目の方ではやはり、またそのままの色を表現することが多いようです。極端な話「ドレーン排液は赤いです」みたいな感じですかね。
経験を積むにつれて、血性やら乳びやらインジゴカルミンやらといった色そのものではなく、成分にまで言及した表現が出てくるようです。
筆者の方が考察されているように、より正しく伝達するにはおそらく定量的につたえることが必要になるでしょう。その場合には色相、明度、彩度を数値などで伝えれば正確に伝わるでしょうが、それをやるくらいなら写真撮るなりした方がいいですよね。そういったところで現場で生まれたのが専門用語による表現なのかなと思いました。色が正確に伝わらなくても、何が入ってそうかをみた人が推測してつたえてくれれば病態とかは正しく理解できそうですもんね。
簡単に、かつ正確に伝えることのいかに難しいことか
それにしても表中に出てくる淡々々血性とか淡々々々血性ってどんななんだか…
なんとなく昨年ヒットした映画の主題歌を思い出しました。