理系夫婦のうたたねブログ

理系夫婦が好きなことを書いていきます。旦那は医師では有りますが、医学的助言は一切おこなっていません。

背に腹はかえられぬ

本日も論文紹介

GWなので1日2時間ほどは論文読むのに使えて嬉しい

Satiety behavior is regulated by ASI/ASH reciprocal antagonism

Last authorはこないだ紹介した2008年に発表された論文のfirst authorですね。今は名古屋大学にいらっしゃるとのこと。

 

生物にとって大切な行動はいくつかありますが、食事というのは最も重要なものの一つである様に思います。3大欲求の1つに挙げられていることもそうですが、食事をしない生物というのも想像しにくいですよね。そもそも生物の定義にもよると思われますが。

生物は餌があればそちらに向かっていくべきですが、そちらの方に好ましくない環境があったとしたらどうでしょう。空腹の状態ならそれでも餌を食べにいくかもしれませんし、それ程空腹ではなければ食べに行かないかもしれません。

 

線虫のASIという神経がSatiety-induced quiescenceに関わっていることは以前から積極的に調べられてきました。その結果からはASIが行動選択に関わっている事が示唆されています。ASIは外界の栄養に反応して興奮しますが、その反応は高濃度のNaCl(線虫にとって好ましくない)によって減弱する事がわかりました。反応の減弱はASHという神経の興奮によって起こっているという事もわかりました。

つまり線虫は栄養が周りにあるとASIが興奮してQuiescentな状態となり、その場で食事をする食べようとしますが、周囲のNaCl濃度が高くて好ましくない環境だということをASHを介して察知するとASIの興奮が抑えられるということです。

この反応は生存に重要です。もし線虫が餌だけに反応していたら、悪環境にある餌のところに行ってしまう事もあるかもしれません。線虫は上記の機構によってより良い場所にある餌を求める事ができるのです。

加えて、線虫の栄養状態によってもASI, ASHの興奮特性は変化することがわかりました。空腹の状態ではASHの反応は減弱する傾向にあることがわかったのです。

 

人間でいうとなると何でしょう。空腹状態では多少遠くてもコンビニやスーパーに行って食材を買い求めるというところでしょうか。我ながらあまりうまくない例え・・・